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『影踏み』- 横山秀夫 〜 双子の絆が描く闇と光のミステリー

文芸

警察小説の名手・横山秀夫が挑む異色作。泥棒という犯罪者の視点から人間の深層心理に迫り、死んだ双子の弟の存在が物語に幻想的な影を落とす。

あらすじと見どころ

法学部を目指した兄・真壁修一と挫折した弟・啓二の双子が悲劇的な別れを迎えた後、兄は「ノビ師」と呼ばれる空き巣のプロとなる。7つの短編が織りなす連作形式で、忍び込んだ家で遭遇する事件を通じて、過去のトラウマと向き合う姿が描かれる。最大の見どころは、亡き弟の幻影が兄の意識に介入する超現実的な描写と、犯罪者の良心の葛藤だ。

作者や背景情報

横山秀夫は警察官僚の内部描写で知られる作家。本作では「犯罪者側の視点」という新境地を開拓し、2003年の単行本刊行後、文庫版で累計50万部を突破。2019年には山崎まさよし主演で映画化され、群馬県でのオールロケが話題となった。


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影踏み (祥伝社文庫 よ 5-1) 文庫 – 2007/2/1 横山 秀夫

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影踏み 推理小説 (祥伝社文庫) [ 横山秀夫(小説家) ]

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影踏み

読後の感想と評価

泥棒という反社会的存在でありながら、主人公に共感を覚える不思議な読後感。弟の幻影との対話シーンが現実と幻想の境界を曖昧にし、刑事ものとは異なる切なさが残る。警察組織の描写が少ない分、個人の内面に焦点が当てられた実験的作品。

おすすめポイント・対象読者

✓ 警察小説の定型を破りたい読者
✓ 犯罪心理の深層に興味がある方
✓ 兄弟関係やトラウマ描写に共感する層
✓ 短編連作形式でサクサク読み進めたい人

類似作品の紹介

・『半落ち』(横山秀夫)― 警察内部の人間模様

・『64(ロクヨン)』(同作者)― 組織と個人の対立

・『罪の声』(塩田武士)― 過去の事件との対峙

まとめ

犯罪者を主人公に据えながら、人間の「影」の部分を優しく照らし出す異色ミステリー。警察小説の枠を超え、家族の絆と罪悪感という普遍的なテーマを描いた隠れた名作だ。


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影踏み

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