ミヒャエル・エンデ著作『モモ・Momo』の文庫本カバーには対象年齢を小学生5・6年生以上……とされているものの、大人が読んでもその世界観の奥深さを味わうことの出来る、懐の広いファンタジー
まだ読んでいない人には、ぜひ手に取っていただきたい小説です
著者ミヒャエル・エンデによるファンタジー小説『モモ・Momo』
冒頭にも書いたように、その文体はとても軽快で読みやすく、読書が馴染みのものになっていない人にも読みやすい作品となっている
実のところ、わたくしも読書を習慣つけたくて、まず手に取った思い入れの深い作品でもある
『モモ・Momo』に限らず、読書を習慣づけ損なった大人の第一歩として手に取る作品のターゲットとして、小学生高学年から中学生向けとされている作品から手を伸ばすのはおすすめの手法だと思う
読書を習慣づけておられない方ならば、おそらく名作とされる様々な作品を読んでこられていないでしょうから、手を伸ばすターゲットは実に様々
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→ モモ – Momo
著者ミヒャエル・エンデ
1929年、ドイツ南部のガルミッシュに生まれたミヒャエル・エンデは、移住先のイタリアで1971年から『モモ』を執筆し始めたそうです
そして、1973年に出版
1974年にはドイツ児童文学賞を受賞
ちなみにデビュー作は1960年刊行『ジム・ボタンの機関車大旅行』
そして、この『ジム・ボタン機関車大旅行』でもドイツ児童文学賞を受賞しており、すでに人気作家となった後、『モモ』へとつながる
その後、1979年には『はてしない物語( Die unendliche Geschichte )』を出版
映画化にあたり一悶着あったのなかったの(笑)
ミヒャエル・エンデは日本にも興味を持っていたらしく、『はてしない物語』の翻訳者佐藤真理子と1989年に結婚しているらしい
その他、ミヒャエル・エンデについて詳しくはウィキペディアをご覧ください
→ ミヒャエル・エンデ|Wikipedia
100分 de 名著でも取り上げられた『モモ』
ミヒャエル・エンデの『モモ』は、NHK Eテレ 100分 de 名著2020年8月放送でも取り上げられ、京都大学教授・臨床心理学社 河合俊雄 氏によって紹介されていました
100分 de 名著 NHKテキスト6ページ冒頭によりますと
「しかし作者のエンデは、あるインタビューで『私の本は、分析されたり解釈されたりすることを望まない。それは体験されることを願っている(子安美智子『エンデと語る』朝日選書)と語っています。』
100分 de 名著 NHKテキスト2020年8月号6ページより
とあります。
つまり、小難しいことは考えずに物語を楽しんでほしい……ということでしょうか
このことから、文芸評論家でも作家でもなく臨床心理学社という立場から 河合 先生も、軽やかな文体に解釈をいざなう物語と、解釈を拒み作品を体験してほしいという作者の思い、そのどちらかに偏るのではなく、バランスよく物語の面白さとそこにある深く解釈できる懐の広さを解説してくださいます
『モモ・Momo』
小学生高学年以上を対象とする『モモ』ですが、なかなかのボリュームです(笑)
とはいえ、その文体はとても軽やかなのでスイスイと読み進めることが出来ます
黒い巻き毛でやせっぽっちのモモ
物語の舞台となる古びれた円形劇場の廃墟に流れ着いたモモ
モモの特技は人の話を聞くこと
人の話にクチをはさむことなくひたすら話を聞いてくれる
そんなモモの元には、話を聞いてほしい人々がささやかな手土産を持って集まってきます
円形劇場の廃墟が、モモの新しい居場所になります
さまよい流れ着いたモモに、町の大人や子どもたちともすっかりなじんできた頃、灰色の男たちの姿がちらつき始めます
言葉巧みに町の大人たちから、時間銀行への貯蓄と偽り時間を奪い始める灰色の男たち
やがて灰色の男たちとモモは関わりを深めてゆき、奪われた時間を取り戻す戦いへと物語は進んでいきます
ざっくり言ってしまえばこんな風に物語は展開していきますが、詳しい描写を読み進めることで登場人物のそれぞれに思い入れが沸き起こってきます
まとめ
まぁ、ファンタジーですから、飲み込むのに時間のかかる描写もあるのですが、そんな情景も含めてどっぷりとその世界観に引き込まれると思います
『Momo – モモ』本編を読んで楽しむのはもちろんですが、100分 de 名著 NHKテキストを手にとっていただけると、物語を深く理解できてさらに楽しみも広がると思います
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