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『前略、殺し屋カフェで働くことになりました。』・竹内佑 著/イセ川ヤスタカ イラスト)

文芸

夜の廃劇場で繰り広げられる「殺し屋喫茶」の物語。普通の少年が巻き込まれたのは、可愛らしい少女たちが営む危険なカフェでのアルバイト生活。コーヒーの香りと殺伐とした会話が交錯する、ブラックユーモアと社会の闇が絡み合う異色作。

あらすじと見どころ

主人公・池也迅太は引っ越した街で廃劇場を探索中、謎の男の死体と殺し屋少女たちの会話に遭遇。命乞いの代わりに「遺体処理代」を稼ぐため、殺し屋喫茶「エピタフ」のウェイターとして働き始める。

見どころは、常識外れのキャラクター群像:
・淡々と危険な会話をする少女たちのギャップ
・殺し屋稼業の正体に迫る謎解き要素
・コメディとシリアスの絶妙なバランス
第2巻では新たな依頼事件や料理修行エピソードが追加され、物語が深化。

作者や背景情報

竹内佑は劇作家・小説家として多分野で活躍:

・2006年OMS戯曲賞大賞受賞(『音速漂流歌劇団』)
・岸田國士戯曲賞候補(『空洞メディアクリエイター』)

ライトノベルでは『最弱の支配者、とか。』『キルぐみ』シリーズなど社会派作品を連作
演劇的な構成力と人間観察が特徴で、本作でも「普通と異常の境界」を問う作風が発揮されている。

読後の感想と評価

「予想を裏切る展開の連続」が最大の魅力。殺し屋という過激な設定ながら、主人公が「交渉役」として現実的な解決を模索する点に新鮮さを感じる。

キャラクター描写では、紙魚子の無表情な言動や店の常連客たちの怪しさが印象的。特に第2巻で料理シーンに垣間見えるキャラの新たな側面が追加されるなど、キャラ成長にも注目。

おすすめポイント・対象読者

▼こんな人に推奨:
✓ ブラックコメディ好き
✓ 個性的なキャラクター群像劇を求める
✓ 社会風刺要素のあるミステリーが好み
✓ ラノベでありながら文学的な深みを期待
✓ 「普通の主人公×異能のヒロイン」構図が好き

類似作品の紹介

▼同じ作者の世界観:
『キルぐみ』:特殊能力者チームの暗躍描く社会派アクション

『最弱の支配者、とか。』:無力な主人公が知略で戦う逆転劇

▼テーマが近い作品:
『デュラララ!!』(成田良悟):異能者たちが交錯する街の物語

『バカとテストと召喚獣』(井上堅二):ギャグとシリアスの融合

まとめ

殺し屋という非日常に「普通」が挑む物語は、ラノベの枠を超えた社会派エンタメ。竹内佑ならではの人間観察が光りながらも、軽妙な会話とイセ川ヤスタカのイラストが親しみやすさを演出。シリーズを通じて深まる「エピタフ」の秘密に、読者は自然と引き込まれるだろう。