男社会の警察組織で闘う女性警官の姿を、独特の心理描写と社会派テーマで切り取った異色作。似顔絵捜査官としての特殊能力と人間ドラマが交錯する、横山秀夫らしい緻密な構成が光ります。
あらすじと見どころ
主人公・平野瑞穂は鑑識課の似顔絵捜査官としての過去を持ち、現在は広報課に左遷された女性警官。彼女には描いた似顔絵から人物の心理を読み取る能力があり、連続放火事件の捜査でその力が鍵となります。
✓ 見どころ
・警察内部の男女格差をリアルに描く社会派要素
・似顔絵を通した「心の闇」の可視化という独創的な設定
・刑事・西島耕輔との対比から浮かび上がる人間関係の機微
・過去のトラウマと向き合うキャラクターの成長物語
作者や背景情報
横山秀夫は元新聞記者で、警察小説の第一人者。本作は2003年発表後、2022年に新装版として再刊され、現代の読者にも通じる「組織内の女性の生きづらさ」が再評価されています。記者時代の経験を活かしたリアリズムと、人間心理の深い洞察が特徴です。
読後の感想と評価
「女性警官の視点が新鮮で、警察小説の新たな可能性を感じた」
「ミステリー要素と社会派テーマのバランスが絶妙」
主人公の内面的な成長が丁寧に描かれ、中盤から急展開するストーリーに引き込まれるという声が多数。警察組織の硬直性を告発しつつ、エンタメとしての面白さも兼ね備えた作品です。
おすすめポイント・対象読者
✓ こんな方におすすめ
・警察内部の人間ドラマに興味がある人
・女性の社会進出に関するテーマに関心がある層
・ミステリーと心理描写の融合を求める読者
・横山秀夫作品で「組織論」を楽しみたいファン
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まとめ
「顔 FACE」は警察小説の枠を超え、現代社会が抱えるジェンダー問題を鋭く描く作品。瑞穂の「似顔絵で心を読む能力」が事件解決の鍵となる独創性と、組織に立ち向かう女性の姿が胸に残ります。新装版で蘇った本作は、過去の作品でありながら現代的な課題を投げかける一冊です。
→ 顔 FACE 〈新装版〉 (徳間文庫) 文庫 – 2022/3/9 横山秀夫
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→ 顔 FACE