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「深追い」- 横山秀夫 〜 深追いの果てに待つのは、救いか破滅か

文芸

地方警察署の日常に潜む人間ドラマと謎が交錯する傑作短編集。横山秀夫が警察組織の内側から紡ぐ、七つの事件が七人の男の人生を変える。


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深追い (新潮文庫) 文庫 – 2007/4/25 横山 秀夫

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深追い (新潮文庫 新潮文庫) [ 横山 秀夫 ]

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深追い


あらすじと見どころ

三ツ鐘署を舞台に、交通課事故係・秋葉和彦が不審なポケベル通信に巻き込まれる表題作「深追い」を軸に、鑑識係、少年係、会計課長らが遭遇する事件を描く。各エピソードでは「職務と個人の葛藤」「組織の暗黙のルール」がテーマとなり、警察官の日常に潜む緊張感がリアルに再現される。
最大の見どころは、伏線が最終章で有機的に結びつく構成。一見独立した物語が、三ツ鐘署という閉鎖的空間で微妙に交差し、読後に深い余韻を残す。

作者や背景情報

横山秀夫(1957-)は元新聞記者で、警察小説の第一人者。『半落ち』『64(ロクヨン)』で社会派ミステリーの新境地を開拓。本作は1990年代末のポケベル文化を背景に、テクノロジー移行期の人間関係を鋭く切り取る。記者経験を活かした組織描写と、市井の人々へのまなざしが特徴。

読後の感想と評価

警察小説の枠を超えた人間讃歌。各短編が「深追い」というテーマを多角的に照射し、読者に「正義の相対性」を考えさせる。特に表題作のラストシーンでは、真相を知った主人公の無力感が胸に刺さる。警察組織の息苦しさと、そこで働く個人の尊厳が拮抗する重厚な仕上がり。

おすすめポイント・対象読者

✓ こんな人に刺さる
・組織の論理と個人の信念の狭間で悩む社会人
・警察内部のリアルな日常描写に興味がある層
・伏線回収の妙を味わいたいミステリファン
・1990年代のノスタルジーを感じたい読者

類似作品の紹介

『半落ち』(警察内の隠蔽体質がテーマ)

『64(ロクヨン)』(県警の広報戦略を軸にした群像劇)

『クライマーズ・ハイ』(新聞社のスクープ合戦を描いた社会派)

まとめ

警察小説の枠組みを再定義した連作短編集。一見地味な地方署の日常に、人間の本質が凝縮されている。事件解決よりも、そこで働く人々の「生き様」に焦点を当てた点が革命的。


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